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城郭の塀(へい)について解説する。塀とは、城を取り囲む城壁や城塁の上に建てられる壁のことである。おもに、城の攻め手による攻撃を回避するために建てられる。 == 日本 == 日本では江戸時代以前、塀を建てることを「掛ける」や「付ける」といった。日本の城の塀は、石垣や土塁の上に掛けられるものがおもである。種類としては、板塀と土塀があり、中世以降の城の塀は土塀が主流である。〔香川元太郎著『歴群[図解]マスター 城』学習研究社 2012年〕 古代の日本の防御施設である「城(き)」に掛けられた塀は政庁や寺院の塀としても使われていた築地塀と同じ「版築土塀」であった。版築土塀は版築板を立ててその中に土を入れて突き固めて造るものである。この土塀の造り方が近世城郭の土塀施工の基本となっている〔西ヶ谷恭弘編著『城郭の見方・調べ方ハンドブック』東京堂出版 2008年〕。東北地方の多賀城のような「柵(き)」では角材を隙間なく掘立てて建て並べて外郭城壁の塀としたものがあった。〔 中世以降はおもに土壁の塀(土塀)を掛けたり小規模な土塁が塀の代わりとなっていた。中世頃の土塀は、壁の厚さが3寸(約90ミリメートル)程度で、壁土を塗り残して外部に向かって矢を射るための穴を開けていた。これを「狭間」(さま)という。『築城記』では、山城の塀の高さは「五尺二寸バカリ」として、平城の場合は「六尺二寸」としてある。これをもとにして中世城郭遺構である逆井城跡の塀は復元してある〔。 戦国時代の末、安土桃山時代に鉄砲が普及すると塀も防弾性を考慮して壁の厚さが7寸(約210ミリメートル)以上にもなった。江戸時代初期の名古屋城土塀では内側にケヤキの板を張ってより防弾性を高めてある〔三浦正幸著『城のつくり方図典』小学館 2005年〕。金沢城では平瓦を張り付けたり塀の芯部に小石を詰めて強度を増した太鼓塀を構築している〔金沢城公園 〕〔太鼓塀 〕。 明治の廃城後、土塀は現存例が少なく、総延長では2,306.4メートルが現存する。最も長い例は熊本城の長塀で252.7メートル、ついで金沢城石川門土塀で148.1メートルある。〔 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「塀 (城郭)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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